子供に見せること

先日、映画館で観たときに隣にいたのは親に連れられてきていた小学校3年生くらいの子供だった。最初のうちはかじりついて見ていたが、終盤にはだいぶ退屈したらしくそわそわしたりうるうるして涙をぬぐっている私の顔を眺めたり落ち着かない様子だった。結局、エンドロールが始まると同時にそそくさとスクリーンを後にしていた。

それが干渉の邪魔になったかというとそういうことはまったくなくて、子供のそういう反応もまた映画の一部として楽しめた。いまはおもしろさがわからなくても、5年後、10年後に何かのきっかけで再び目にして「こんなおもしろい映画だったのか」ということをきっと発見してくれるだろう。その子の未来に向かって開かれた可能性を肯定したい、という気持ちになることがまさに時かけ効果に違いない。