カフカ「城」

時かけに登場するボランティア部3人娘は何度見てもおもしろい組み合わせだ。特に、上杉と野分のコンビがステレオで真琴に迫ってくる場面はテンポもよくて楽しい。

こういう二人組をみて思い出すのはカフカの「城」である。主人公に付きまとうことになる二人組の助手はやることなすことおかしくて、どんよりした雰囲気の作品のなかでそこだけ妙に鮮明である。そういえば「未来世紀ブラジル」のセントラルサービス二人組も似たようなおかしさがあった。

その点、上杉と野分はあくまで爽やかなおかしさで、そのへんが時かけの雰囲気そのものかもしれない。上杉はドクターペッパーを好んでいたり、占いに一喜一憂する野分に「ヤバいかヤバくないかはこいつが決めることじゃん」と言い放ったりするあたり、私と気が合いそうだ。