アメリと似ているような似ていないような

時をかける少女の劇場版予告編を見ていたら、

他人の恋には前向きで――
自分の恋には後ろ向き

というフレーズが出てきた。これって、他人を幸せにすることに喜びを見出すが、自分のことには臆病な「アメリ」によく似ている。そして恋愛を通じて世界を見出す、というテーマも。

アメリの主人公はみずからの心を閉じ込めた風変わりな女性(22歳なので少女とは呼びがたい)だが、時かけのほうはイキのいいおてんば娘、なのでやはり話は違ってくる。

ヒロインの行動に共通点があるとはいっても「アメリ」は所詮、遅れてきた青春映画であって、まんま青春映画の王道である時かけとは本質的に違う。

普段は「年齢なんてただの数字でしょ」とうそぶいているのだが、思春期にかぎっては年齢が単なる数字ではなく、そこに成長があって戸惑いがあって、甘酸っぱいドラマが生まれることを素直に認めよう。